こんにちは、ブロガーの蘭子です。
「幼稚園の時に心に残る1冊」を息子に作ってあげたい、そう思って絵本を探したことがあります。
心に残る一冊を作ってあげる
子供が好きになる本は、面白かったり、楽しかったり、ワクワクしたり、そういう系統かな?と親の私も思ってしまって、どちらかというと、そういう絵本を選んでしまいがちでした。
でも、偉人伝の枠組みではなく、今も実在の人物で、どこにでも居そうな人で、大きな努力をして成し遂げた人のお話は、どうなんだろう。
子供の心にどう響くのだろうか、そんな興味が湧いてきました。
そんな時、随分前に読んだ本を手に取りました。
「奇跡のリンゴ」
というタイトルの本。
苦労の末、農薬を使わずに栽培するのが難しいりんごを、なんと無農薬で育てる事に成功させる木村さんのお話。
こちらが、BOOKデーターベースに載っている本の内容です。
リンゴ栽培には農薬が不可欠。誰もが信じて疑わないその「真実」に挑んだ男がいた。農家、木村秋則。「死ぬくらいなら、バカになればいい」そう言って、醤油、牛乳、酢など、農薬に代わる「何か」を探して手を尽くす。やがて収入はなくなり、どん底生活に突入。壮絶な孤独と絶望を乗り越え、ようやく木村が辿り着いたもうひとつの「真実」とは。
これを読むだけでも、どんな苦労をして奇跡のりんごを作り上げたのか、心がのめり込む様な感覚になりませんか?
親が共感した本を子供と共有する。それは、親子にとって楽しい時間を作ること間違いなしです。
そこで、私は子供向けに「奇跡のリンゴ」を絵本にしたものがないかを探しました。
そして期待通りにその絵本は存在しました。素晴らしいです、さすが日本。
タイトルは「りんごのおじさん」
幼稚園児には少し文字が小さく、文字数も多いですが、読み聞かせをしてあげれば問題ないと判断しました。
でも、ふとそこである考えが浮かびました。
前準備をする
いきなり「りんごのおじさん」を読んでも、りんごを作る大変さを実感するのは難しいのではないか……と思ったのです。
もちろん、絵本にはその苦労が描かれています。
ですが、相手は幼稚園児。りんごがどの様にできて、どう育っていくのか、その為に農家の人々はりんごにどんな働きかけをしているのか、それすらもはっきり分かっていません。
大人ならなんとなく想像できるりんごの育ち方は、子供にとっては未知の世界でしかないのです。
りんごの育ち方、そういった前知識を知ることで、農薬ではなく「無農薬で作ることの更なる大変さ」をリアルに実感できると考えました。
それに私としては、子供に大きな大きなインパクトを持って読んでもらい、「心に残る一冊」にしたかったのです。
そこで、次の絵本も購入しました。
「りんご畑の12か月」
叔父から甥への手紙の形で、りんごが育つまでの農作業が描かれていて、嵐を乗りこえて実った真っ赤なりんごの収穫の歓びを知る事ができます。
この絵本を、「りんごのおじさん」を読む前に、何度か読み聞かせをしました。
この絵本のおかげで、りんごだどの様に育ち、私たちが食するまでにどんなに大変なことなのかを理解してもらえたと思います。
「りんごのおじさん」を読み、そして感想文まで
前準備をバッチリと済ませ、「りんごのおじさん」を読み聞かせしました。
結果として、子供はこの絵本にハマりました。
何度も何度も読み返し、心に残った一冊になったと確信しています。
子供がこんな感想文を書いてくれました。幼稚園の年長の時に書いたものです。
(七田式プリントで、文を書く練習の時、真っ先に「りんごのおじさん」の絵本を選びました)
(読みにくいかもしれないので、書き起こしました)
「りんごのおじさん」はまい日ではないけど、いっぱいよんだ本です。
この本ですきなところは、なんども、なんども、りんごをつくるのをしっぱいしても、せいこうするまであきらめなかったところです。
おじさんはすごいなとおもいました。
ぼくもべんきょうをあきらめずにがんばるぞーとおもいました。
りんごのおじさんは、ぼくのたいせつな本です。
最後の「りんごのおじさんは、ぼくのたいせつな本です」という一文を読んで、私は心から嬉しさが込み上げてきました。
息子が“心に残る一冊を手に入れたこと”、それに「奇跡のリンゴ」のお話を共有できたこと、それが何よりも嬉しかったのです。
その後、「りんごのおじさん」のリンゴを食べる
「りんごのおじさん」を読んでから、息子は奇跡のリンゴを作った木村さんのりんごをどうしても食べたいと言い張りました。
しかし、爆発的な人気を博していたリンゴなので、どうやっても手に入りません。
インターネットで調べるも、いつも売り切れ状態。
昔から応援していたお客様に販売したら、やっぱり一般的な我々にまではまわらない状況だったのかもしれません。
どうしたものかなぁ……と思っていたら、その1年後、奇跡的な出会いがありました。
引っ越した先のそばにあるイタリアンレストランに、行った時のことです。
メニューの黒板に「奇跡のリンゴのリンゴジュース」と書いてあるじゃないですか!
マスターに聞いてみると、木村さんと取引をされていて、そこから、りんご とリンゴジュースを仕入れているとのこと。
息子は早速に「リンゴジュース」を嬉々として飲みました。
「なんて、澄んだジュースなんだ!」と一端なことを言っています。この時小学校1年生です(笑)
そして、奇跡のリンゴも1つ買って帰り、家族で食べました。(希少なので1個のみの購入となりました)
一般的なリンゴより一回り小さなリンゴ。1つ300円。
食べたリンゴは、ジュワーっと果肉が甘酢酸っぱくて、ショリショリして、息子がジュースを飲んだ時に言った「澄んだ」味そのものでした。
こうして、私たちは「りんごのおじさん」の絵本から、その“りんごを食べる”というリアルな実体験まで経験する事ができたのです。
絶対知って欲しい、「子供の心に残る一冊」を作るコツ
親が共感した本を子供と共有することで、楽しい時間を作る事ができます。
そこで、
- 自分が好きな本が絵本になっているか探す
- リアルに絵本を体験してもらうために、前準備をする(前知識を与える)
- 絵本に出てきた内容を現実でも体験する
ができれば、子供にとって「心に残る一冊」になる可能性が、何倍にも膨れ上がります。
私としては、息子が、「心に残る一冊」を手に入れた経験を記憶し、そして親になった時に、それを子供に実践して欲しいと願っています。