EduVateブロガーのまやどんです。今日は、今の幼児たちが小学校以降にどのような教育を受けることになるか?少し先を見据えての話になりますが、文科省・経産省などの国の方針を踏まえてお話したいと思います。
読者の皆様も、昨今Chat GPTなどの人工知能(AI)やビッグデータ、ロボティクス等の最先端技術の高度化による社会的な変化、また、新型コロナウイルス感染症の拡大など「予測困難な時代」を経験されましたね。更には、グローバル化、多様性、少子高齢化などこれから必ず訪れる外部環境の変化を踏まえて日本の学校教育のあり方を再検討しなければならない背景があります。
教育改革の背景
- グローバル化
日本企業の外国企業とのM&Aの加速、在留外国人307万強(初の大台越え、過去最高)
→身内のコミュニケーションから分野や業界を超え「よそ者」と一緒にや競争が当たり前に
- 人口減少・少子高齢化
2050年には、約1億人まで減少する見込み、生産年齢人口は約5割に
- デジタル化(Society5.0)
AIで代替される職種(事務、法律etc)、代替しづらい職種やAIを使いこなしながら思考・判断・表現する職種は雇用が増加
- 変化の激しい、不確実性の時代
技術や知識の激しい変化を上回るスピードで人に投資し続けないと、知識が陳腐化し人的資本の水準を維持できない
- 人生100年時代
健康寿命が世界一の長寿社会。2007年に生まれた子供は107歳まで生きる確率が50%
新卒は限界で、採用に占める中途の割合は過去最高(37.6%)、転職・キャリアアップが増加
更にいうと、高度経済成長期には、「みんなと同じことができる」「言われたことができる」という上質で均質な労働者の育成が必要でしたが、正解(知識)の暗記の比重が高い「正解主義」に偏り、「自分で課題を見つけ、解決する力」の育成が不十分とされています。
学校では「みんなで同じことを、同じように」を過度に要求する面が見られ、「同調圧力」を生み出したのではないか、それがいじめや生きづらさをもたらしたのではないか。
民主主義にとって重要な「当事者意識」が足りないため、課題を見つけて議論させ、考えさせる学習を増やすべきと言われています。
そこで、学校教育のアップデートが必要と言われていますが、現実には、通級指導を受けている児童生徒数は平成5年から比較すると令和2年の小学校では11.7倍(120万人)、不登校は9.3倍、学校での暴力は33.6倍、虐待相談件数は平成21年から比較して189倍となっています。
本来、生徒の理解度や学力も個人でバラバラですから、置き去りになった生徒を生まないように個人の学習に合った手助けが必要、自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができる場所が必要です。
これからの学校には‥(略)
一人一人の児童(生徒)が、
自分のよさや可能性を認識するとともに、
あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、
多様な人々と協働しながら
様々な社会的変化を乗り越え、
豊かな人生を切り拓き、
持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。
学習指導要領 前文 H29,30年改訂
そもそも、腰の重かった文科省をさておき経産省主導で始まりましたが、まずは、このような学びに格差を生まないために故安倍首相時代にこれから先の子供たちのために「明治以来の教育大改革」を行われました。
具体的には1人1台のタブレット端末の活用を推進し学びの保障(学びの格差是正)を行っています。つまづいた場所から授業の再生ができたり、病院や保健室登校の子供にも中継できたり、授業だけでなく教材や学習支援ソフトがデジタル化され自宅で視聴できることからもコロナで更に加速し、今や文科省も本腰を入れ、デジタル庁などの関係省庁も共同で国をあげて取り組みが始まっており、2025年には次期学習指導要領が改訂される見込みです。更にはデジタルの導入で先生方の働き方改革を進めているところです。文科省は、こういう取り組みのコマーシャルが下手なのか、親御さんを含めあまり一般的に情報が浸透していないように見受けられますが、日本の子供達が豊かな人生を送ために、今は時代の変換期、きわめて重要な時期なのです。